今日ニュースを見ているとこんな記事があった
なんでも国際研究チームが電波望遠鏡で観測して、100億光年先で新たな星が活発に誕生しているらしいことを突き止めたということである。
(ちなみに、いつものことで申し訳ないが、写真はその記事と関係ない。「天体写真の世界」というページのフリー素材を使わせてもらっている。)
突き止めたといっても100億光年先のことである。皆さんご存じのように1光年は光が1年かかって到達する距離をさすわけだから、100億年昔のひかりを見ての観測結果である。
宇宙の時間の単位は我々にとって非常に気が長いのだが、地球の一般的な年齢が46億年とするとその倍の年月に当たる。いづれにせよ、長い年月である。
そんなことを思うとふと考えることがある。この記事で言っている「活発に新たな星が生まれている」という現象はいつのことを言っているのだろうか? それは、100億年昔の出来事を指しているのか、それとも「現在」なのか。
私の知識の中では、現実の問題として「現在」の事象を知る手段はない。たとえそれが数メートルしか離れていない距離でもだ。それは、今の科学でものを見聞きして「知る」という手段はすべて光の速度に依存してしまっているからだ。無論、数メートルしか離れていなくても厳密には遅延している。つまり、「現在」をあらわすのは、現在という時間の範囲を指しているのであって、誤差の問題でもある。(1秒を誤差とすれば、前後1秒の計2秒は「現在」ということになる。)
さて、話を元に戻せば、この国際研究チームはどの段階の現在をとらえているのか。これは本人たちに聞かないとわからないのだが、こういう記事を読むにつき、常に不思議な感覚に陥る。一体「今」って何なんだろうと・・・。
考えてもきりがないのだが、単純に言えるのが「現在」という感覚の違いである。宇宙でいうところの現在は、非常に長い。たとえば1万5千年くらいが「現在」(宇宙の年齢は137億年と言われているので、その約10000分の1%としてみた。)と言えるほどの誤差であろうか・・・。地球といえば、それが5千年ほど。さらに、人間に当てはめてみれば、50分程になる。すでに単位も変わるほどである。何ともちっぽけな話だ・・・。
逆に考えれば、私が1時間足らずを大事に過ごしていることは、宇宙単位で考えれば1万年を超えることになる。楽観的に考えれば、「何かやっちゃえそうな時間」でもある。
果たして、もったないと考えるべきか、もっと気楽に考えるべきなのか・・・。
ただ、面白いのは、スケールの大きさによって、現在の考え方もどんどん細かくなっていく。自然の摂理なのかもしれない。
閑話休題
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