JANOGのメーリングリストでもちょっとした話題になったVIOPS(Virtualized Infrastructure Operators group)ですが、この第一回ミーティングが8月21日に開催されました。
今回は、会場の都合などもあり参加者は30名程度でしたが、全7つのプログラムが用意され、最後には、データセンターの免震構造(全く仮想化と関係ないんですが・・・。)まで話が及ぶなど、非常に興味深い議論が行われました。
ひょんなことからこの会の発起人となった私ですが、「仮想化」というテーマをゆっくり考えてみるいい機会になったかと思います。
さて、仮想化といってもいろいろありますが、基本的な仮想化の考え方は、
- 物理サーバーを如何に効率よく複数のゲストOSを導入して利用するか
- 仮想化を用いて、如何に堅牢なサーバー、ネットワークを構築するか
- 仮想化を用いて、如何に運用上メリットのある構造を構築するか
ということに終始するように感じました。
ここで重要なポイントなのは、サーバーの仮想化といった場合、「物理サーバーを如何に分割するか」というのが現状の仮想化であるということ。
近藤的な仮想化の壮大なイメージとしては、ここにグリッドとかの概念も入ってきて、大量の物理サーバー(この場合、地理的にも広がりがある。)が仮想的な1つの物理サーバーを構成し、さらにこの1つの巨大な仮想サーバー上に複数の機能別仮想サーバーが乗っかってくるような階層化されたイメージを持っています。さらに、この面に広がった1つの仮想サーバーが接続されているネットワークは、地理的な概念が排除された仮想化されたネットワークにつながっている。つまり、一つのサービスを提供するに当たっては、すでに地理的・ネットワーク的な概念が排除されたオンラインサービス環境が構築できるわけですね。
さて、このような環境ができると、実態のインターネットって何なのか?という話がどうしても出てきそうなわけです。ここからはかなり幻想の世界に入りますが、こうなると、インターネットってそもそも1つなのか?とも言えるわけです。
物理的なネットワークは、もはや仮想的に広がったインターネットを構成するためのプラットフォームとなるわけですが、こうなると、目的別にインターネットも複数あってよいわけですね。(これを私は「マルチバースインターネット」と勝手に呼んでいます。(^^; )利用者はその目的によって、ネットワークを選べばよいわけです。考えてみれば、アプリケーションレベルでは、すでにそのようなことが行われているようにも思えます。たとえば、P2Pネットワークなどは非常に限定的ではありますが、最たる例かも知れません。
現段階で、今後のネットワーク環境がどのように変化していくかは、わかりませんが、仮想化というものがネットワーク利用者の利便性を向上させるだけではなく、利用の仕方そのものを変えていくのだろうと最近常々思うのでした・・・・。